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-interview- 公共空間事業部の進取果敢な活動に迫る!

更新日:12月7日


今年3月に公共空間活用を実践するメンバーによって立ち上げられた公共空間事業部。
公共空間事業部が立ち上がったきっかけや、講座の内容、今後の目標など、事業部の活動に迫るべく、リーダーの中川氏と山崎氏を取材しました。インタビューを通して、新しいことに挑戦し続ける、事業部メンバーの姿が見えてきました。



-interview-



岡崎市まちづくり推進課QURUWA戦略係/係長(土木)

公民連携プロフェッショナルスクール 3期 修了

公共空間事業部リーダー


公民連携で公共空間活用を推進する「QURUWA戦略」を、立ち上げから現在まで10年以上担当。過去に河川や道路空間活用を担当し、プライベートでは公共空間事業部のメンバーでもある畑氏と共に、家守社を立ち上げ活動中。管理者と民間の両方の立場から公共空間活用を実践している。




静岡市役所 都市局 都市計画部 緑地政策課

都市経営プロフェッショナルスクール 公園専門課程 1期 修了


公園行政と福祉事業が連携した「公福(こうふく)連携事業」を提案。

現在はPark-PFIなどの公園活用事業を担当し、3箇所のPark-PFIプロジェクトを同時並行で推進している。



聞き手:川辺 聖子

 

立ち上げのきっかけは、ある人からの連絡


ー中川さんは公共空間事業部の立ち上げにあたってリーダーとして動かれていましたが、そうなった経緯を教えてください。


中川 ある日、現公共空間事業部(以下、事業部)伴走理事の三宅さんから連絡があり、事業部を立ち上げないかと声をかけてもらったんです。

公共空間に関わる活動って、公民連携の中でも分かりやすくて進んでいる分野なので、自治経営としても事業をやっていかないと、という課題感があったんだと思います。

自治経営は行政職員が多いので、都市経営プロフェッショナルスクール(以外、プロスクール)の木下斉さんらとも、もっとプロスクールではカバーしていない行政分野の事業をやった方が良いという話があったんじゃないかなと思います。

なので、三宅さんから背中を押してもらわなかったら全然こうはなってなかったと思います。


ー三宅さんから声かけがあって、やろうと決心された理由はなんでしょうか?


中川 以前から東海エリアのメンバー以外とも何かやれたらなって、活動を広げたい気持ちはありました。新しいことやっていかないと成長しないと思っていたので、良いきっかけだと思いましたね。


 

本当に一緒にやりたい人をキャスティング


ー事業部のメンバーはどうやって集められたのでしょうか?


中川 基本的に僕が本当に一緒にやりたくて、話を深く聞いてみたい人をキャスティングしました。


畑さんは、僕とセットで喋ると単純に面白いんじゃないかと思って。同じ岡崎でお互いのこと分かっていますし。


山崎さんとは、元東海アライアンスの集まりが今でもあって、そこで2ヶ月に一回話しをしているんです。山崎さんはPark-PFIとか色々公園活動をされているし、静岡市の人宿町でのイベントで話を聞いたこともあって、引き続き話を聞きたいなと思って声をかけました。


ー中川さんから誘いを受けて、山崎さんはどう思われましたか?


山崎 一つ返事でやりたい!って返事したと思います。


中川 みんなそうでしたね。すぐやります!みたいな人ばかりでした。


山崎 プロスクール卒業後、なかなか自分の事業でアウトプットが上手くいかなくて。卒業後は今こんな感じで活動していますとお伝えする機会もなかったですし、新しいことをやりたい気持ちもありましたので、すぐやりたいと思いましたね。


ーアウトプットの場を新しく探されてたのもあって、いい機会だったんですね。


中川 打谷さんとは、以前岡崎に来られたときに僕が街をアテンドして、そこから深く知り合うようになりました。公園活用や道路活用をしているのも知っていましたし、僕の勝手なイメージですが、打谷さんは岡山市内の飲食店のネットワークの中心にいる感じがするんですよ。話を聞いていたら、東京の方からもシェフを引っ張ってきたり、すごいなと思って。その話も聞きたくて声をかけました。


稲葉くんとは、昨年度に結構イベント等で同席することがあって、深く話をする機会があったんです。新潟に呼んでもらったり、岡崎で開催した官民連携まちづくり塾に来てくれたり。稲葉くんは今まで道路や河川を担当していて、家守舎もやっていたので、自分と似ているなと思いました。

稲葉くんは「にいがた2km」という道路空間活用の事業をやっていて、今年度からリノベーションスクールも始まったんです。それで一度新潟に行ったのですが、民間の顔も見えていて、結構進んでるんですよ。すごく面白そうだなと思いました。


ー境遇が似ていると通じ合える部分が多いですか?


中川 みんな話が早いですね。熱意も知識も一定のラインを超えた人たちばかりなので。稲葉くんは広報が得意で、そういうキャラもチームにいると心強いなと思いました。


ー国交省の官民連携ポータルサイトにも公共空間活用講座の情報が掲載されていますね!これも稲葉さんが広報されたんですか?


中川 それは僕ですね。本業の方でつながりがありまして。先日は国交省都市局でウォーカブルなまちづくりを担当されている今さんへインタビューもしました。動画をPeatixのチケットページに貼っています。


ーその動画も気になりますね。今年3月ごろには女性メンバーを募集されていましたね!


中川 男だけじゃ面白くないだろうということで募集しました。 山崎さんがプロスクールの公共空間活用専門課程で知り合った川島さんがいいよって言ってくれたので声をかけました。川島さんは前向きで、やります!みたいな感じでしたね。姫路市の都市計画で民間の方々を伴奏されている印象です。現在は行政4人、民間が2人の6人で活動しています。


 

目指すはメンバー全員でのニューヨーク視察


 ー現在の活動内容を教えてください。


中川 講座の組み立てが終わって、チケットの販売を始めました。今は営業の段階ですね。大きな広報はほぼ終わったので、facebookの投稿とか、個人での営業に移っていっています。みんなでニューヨークを視察することを目標に、営業をがんばっています!本当に行けるのか分からないですけど、楽しいじゃないですか。そういうのを考えながらやるのって。

ただ、余談ですが、山崎さんの静岡市は副業的な活動のレギュレーションが厳しいんですよね。


山崎 そうですね。お金のやり取りが難しくて、交通費すら難しいです。講座にはなんとか参加だけはさせてもらいました。一人だけニューヨークが実費になったら困るなと思ってます(笑)


ーそれはツライですね(笑)中川さんの家守舎での活動もボランティアでしょうか?


中川 そうですね、超ボランタリーでやってます。一応出資もしようと思って人事課に相談したのですが、「やれないことはないけど、何かあったときにみんな悪者になっちゃうのを覚悟でやる?」という感じだったんですね。やっぱり仕事上も近いので、そういうリスクがあると言われたら、別に僕はお金が欲しいわけじゃなかった。お金出そうが出さまいが、やること変わらないしと思って、今はこうなっています。


ー早く副業しやすい環境が整ってほしいですね。


 

本気で実践したい人に向けた講座内容


ー事業部として最初の事業を講座形式にされた理由はありますか?


中川 F M事業部が講座をやっていたじゃないですか。 三宅さんに最初言われたんです。まずやってみないと分からないでしょって。なので、まずはFM事業部と同じようにやってみようということで、講座を始めることにしました。


ー講座の内容で意識されたことはありますか?


中川 まず、ターゲットで意識をしているのがスキルセットスクールです。スキルセットスクールは初任者向けの内容ですが、私たちの講座のターゲットは、公共空間活用を今やっていて壁にぶつかっている人や、これから始める人、始めたい人です。行政や民間、公共空間活用を広める価値をわかってくれる議員さんたちも含めて、受講していただければと思っています。今回は行政と民間の登壇者がいるので、両方の話を聞けるのはすごく価値があると思っています。

そういった前談がありますが、やはり公共空間活用はただの手段です。基本的には、世の中で叫ばれている「ウォーカブルな人のためのまちづくり」には空間が大事で、どうやって公共空間の質を高めるか、各自ここを意識した講座内容になっています。


ー各講座の内容について詳しく教えてください。


中川 講座の初回は、僕が全体の話をします。大前提として、清水義次さんが提唱する「 敷地に価値なし、エリアに価値あり」でこそのウォーカブルだと思うので、そのためにエリアを意識しながら、エリアの中にある公共空間と、その沿線の空き家・駐車場といった民間の遊休不動産を一緒に活用していくことが大切です。ただ単に手段としての公共空間活用をするのではなく、エリアを良くするという考え方を最初にお伝えします。


ー2番目は畑さんのお話ですね。


中川 はい。家守舎では一件物件を借りていまして、その前に中央緑道という公園があるんですよ。畑さんがそこを借りて日常的に人が居るようになってから、公共空間側も使われ始めるようになったんです。そういう現象が起きたので、講座は「民地から公共空間の風景を変える」というタイトルになっています。物件は家守社でリノベーションをして、ジェラート屋さんやシェアキッチン、畑さんの建築事務所が入っています。あとは、年2回ぐらい100店舗以上集まるマーケットを籠田公園や物件の目の前の中央緑道でやっていたり、そういうところから公共空間が変わってきたなかで、具体的に何を意識してきたかをお伝えします。1つ目と2つ目は岡崎のことですし、ぜひセットで聞いていただきたいですね。


ー3番目は稲葉さんの道路空間活用のお話ですね。


中川 そうですね。稲葉くんは新潟市で「にいがた2km」という「ほこみち」制度を使いながら道路空間活用をやっているので、その話をしていただきます。道路は二重行政と言われていて、自治体が管理者として構造物の管理などをしていたり、交通に関することは警察が管理していたりと、活用するために2つの許可が必要なんです。そういうところから、どうやって立ち回っていくのかという内容になると思います。


ー実践的なテクニックは、今まさに悩んでいる方々にとって貴重な情報だと思います。4番目は打谷さんの講座ですね。


中川 打谷さんの講座内容はタイトル以上のことはわかりません!(笑)今までの活動内容や活動の動機について紹介してもらえると思います。畑さんとの違いは、畑さんは民間側からQURUWA戦略を一緒に作ってきたので行政的なマインドを知っている。一方で、打谷さんはナチュラルに民間らしく、自分たちが欲しい暮らしを手に入れる、というスタンスで活動している気がするので、そこを語ってくれるとすごく面白い気がしています。

打谷さんがやってるパン屋さん、「PUBLIC」っていう名前じゃないですか。すごくいいネーミングだと思うんですよ。超尖ったかっこいいパン屋さんで、民間っぽいことをやっているんですが、目の前の通りの間にセミパブリックな空間もつくられていて、とてもステキなんですよ。


ーそして5番目は山崎さんの3つのPark-PFIのお話ですね。


中川 山崎さんのネタもすごく面白そうですよ。


山崎 順番が後ろに行けば行くほどプレッシャーが増してきますね(笑)最後にしたのは、現在進行形でちょっと報告しにくい事業があるので、 2月ぐらいだったら落ち着いて、話せることも多くなるんじゃないかなという感じです(笑)

講座は、特に民間の人に見てもらいたいです。行政の人間がこういうことを考えてますよっていうのを民間の人にも分かりやすく伝えたいですね。


ー民間の方から行政の考えは見えづらいと思うので、公共空間活用をやりたい民間の方にとって価値ある内容ですね。


山崎 ただ、色々考えると、結局は担当者の熱意が大事かなと思っています。勉強したいと思って講座を受講したのに結局熱意の話か!となっちゃうかもしれませんが。


中川 でも人を動かすには熱がないと。熱を入れて語れるぐらいの想いとエビデンス、両方が必要ですよね。


山崎 そうですね。行政なので、データの見せ方というか、エビデンスの見せ方といったところも話さないといけないとは思っています。


ー講座の最後のプログラムは全講師参加のセッションですね。失敗談はやはり受講者が一番聞きたいところですよね。


中川 みんな何かしら確実に失敗しているはずなので(笑)


講座は各回レクチャーとグループディスカッションの時間があります。ただ、申し込み数が多いとグループディスカッションはできなくなりそうです。個々で質問してもらって答えるかたちになるかなと思っています。


ーそうなれば嬉しい悲鳴ですね。


中川 そうでないとニューヨークには行けないので、そうなって欲しいですね(笑)


 

これからの公共空間事業部


ー事業部の今後の目標を教えてください。短期的にはニューヨークでしょうか?


中川 そうですね。まずはニューヨークに行くことですね。そして、ニューヨークの報告会はちゃんと有料でやりたいですね。


山崎 ニューヨークの次は世界一周ですかね!(笑)


中川 良いですね(笑)あとは、こういう話ができる仲間を増やしたいです。そうしないと、僕らがやってることは広がらないと思うし、自治経営も最終的には日本を変えるってビジョンを掲げているじゃないですか。そのためには仲間を増やしていかないとですね。講座では、メンバー各自からきちんと言語化された言葉が出てくるはずです。一般化して伝えられると良いかなと思うので。実践してもらうためにそういう点も意識したいと思っています。


ー講座が開講されるのがとても楽しみです。また、事業部がこれからどんな新しいチャレンジをされていくのかも注目ですね。本日はありがとうございました!


 




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